蕎麦とラーメン食べ歩き と読書のブログ

蕎麦とラーメンの食べ歩きと読書のブログです。蕎麦は、結構詳しいので、蕎麦の評価は信用出来ると思います。ラーメンは、素人です。読書傾向は偏りがちです。読書系の記事以外は酔っ払いながら書いてますので、失礼がありましたら、すみません。

カテゴリ:読書関係 > 作家(さ行)

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ホンボシ

佐藤誠の「ホンボシ」です。筆者の佐藤氏は、あの「木原事件」で一躍有名になった、警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係の元警部補です。青学を卒業後、1983年に警視庁に入庁。高井戸署勤務から始まり、2004年に捜査一課に配属され、数多くの殺人犯と対峙し「伝説の落とし屋」の異名をとった方です。その佐藤氏が、2022年に警視庁を退官して、1年が過ぎた頃、文春に、佐藤氏が関わった「木原事件」の記事が掲載されたんですね。その内容は、警察内部の誰かがリークしなければ決して書くことの出来ない記事だったので、興味を持っていた矢先に、文春の記者から佐藤氏にアプローチがあったんです。佐藤氏は最初は警戒して何も話さなかったのですが、2023年7月13日の露木康浩警察庁長官の

「捜査等の結果、証拠上、事件性が認められない旨を警視庁が明らかにしている」

という発言に、佐藤氏がぶち切れたんですね。それが、下記の作品紹介となるんです。

2006年4月10日、都内の閑静な住宅街で一つの「事件」が起こった。その日、不審死を遂げた安田種雄さん(享年28)は、木原誠二前官房副長官の妻X子さんの元夫である。事件当時、X子さんは「私が寝ている間に、隣の部屋で夫が死んでいました」と供述したという。通称「木原事件」と呼ばれるこの“怪死事件”を巡り、1人の元刑事が週刊文春に実名告発をした。

「はっきり言うが、これは殺人事件だよ」

木原事件の再捜査でX子さんの取調べを担当した佐藤氏は、なぜそう断言するのか。実名告発に至った経緯とは——。

佐藤氏は、実名を出して記者会見まで行って、これは殺人事件だと主張しましたが、この事件は、闇に葬り去られようとしております。前フリ長くなりましたが、この作品は、佐藤氏による「木原事件」の告発手記となります。更に、後半部分は、伝説の取調官:佐藤氏が関わってきた事件で、記憶に残っている取り調べを語っております。時効寸前に完落ちさせた事や、マブチモーター社長宅放火殺人事件の主犯格の「小田島」の取り調べなど、興味深い話が沢山ありました。作品自体は、内容が凄く濃いという訳ではないのですが、尊敬出来る佐藤氏に敬意を表しまして、星「4つ」にさせて頂きました。(インタビューでは、佐藤氏は、自分の後輩達に読んでもらいたいと語っておりました)この作品はオススメです。

続きで、印象に残った場面を何点か。(*´∇`*)






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4
リーマンの牢獄

斎藤栄功の「リーマンの牢獄」です。筆者の斎藤氏は、医療コンサルティング会社「アスクレピオス」の元社長で、詐欺事件界隈では、知る人ぞ知る人物です。あの米大手証券「リーマン・ブラザーズ」から371億円を搾取した方なんですね。(当時は「丸紅巨額詐欺事件」と呼ばれてました)2008年に、詐欺とインサイダー取引容疑で逮捕され、懲役15年の実刑判決を受け、14年の獄中生活を経て、2022年6月に長野刑務所を仮出所したんです。
詐欺の最高刑は懲役10年なのですが、刑法45条(併合罪)まで適用されて懲役15年という判決は、経済犯としては殺人犯並みに重い異例の処罰となりました。
この作品は、その大物中の大物の斎藤栄功氏の手記的な作品で、凄く面白かったです。中央大学卒業後、山一証券に入社した所から始まり、新井将敬氏の秘書となり、新井将敬の死後、都民信用組の理事→メリルリンチ証券→三田証券→社内ベンチャーでアスクレピオスを設立→事件を起こし逮捕されるまでの事が詳細に記されておりまして、登場人物も多種多様で、殆どが実名で描かれております。この作品は、オススメです。(*´∇`*)

詐欺事件に興味がある僕は、当時、興奮して、この事件についてブログにアップしました。当時のそのブログ記事へのアクセスは凄かったので、みんな興味があったのだと思います。
↓↓↓↓↓2008年7月15日の記事です。

当時の記事を引用しますと、
このアスクレピオス社の架空のビジネススキームは完璧で、しかも「丸紅」が元本保証するという稟議書も示して、投資説明には、実際の丸紅本社の会議室が使われ(丸紅の委託社員も一枚噛んでいました)丸紅の偽の部長も登場して後押しする念のいれようでした(この時の偽部長の名刺がテレビに出てたけど、本物と少し違っていました)これには「リーマンブラザーズ」も騙されるのも納得できます。そして、アスクレピオス社は、破産するのですが、「リーマンブラザーズ」は、アスクレピオス社からの資金の回収は不能と判断して「丸紅」を訴えました。リーマンブラザーズは、
「丸紅の従業員が関連した詐欺行為で、使用者責任がある」という主張。
一方、丸紅は、
「契約書や印鑑が稚拙で不審に思うべき」
「リーマンが得る金利は、年率25%とは、不自然」
等反論して、丸紅とは一切関係ないとしている。


長い営業マン生活を続けていると、痺れる程の大きい案件で、ドキドキする様な商談をしたいと思っている人は多いと思うのですが、僕もずっとそれを思ってまして、ほんとの丸紅本社の会議室を使って、リーマン相手に、偽部長まで登場させて商談を成功させたと知って(詐欺ですが)興奮しました。(偽部長は、元福岡県警の方で、斎藤さんに、偽部長役を依頼されたらしいのですが、その後、罪には問われなかったとの事です)

そして、斎藤さんが、街録チャンネルに出演して、


更には、街録のサブチャンネルにも出演して、


更に更に、自分でYouTubeチャンネルを開設という事で、

凄い事になっております。斎藤さんに興味を持ったら、是非、この作品を読んでみてください。(*´∇`*)


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3
裂けて海峡

清水辰夫の「避けて海峡」です。馳星周の「ゴールデン街コーリング」の作中でこちらの本をオススメしていたので読んでみました。1983年の第2回日本冒険小説協会賞優秀賞の作品です。馳がオススメしているだけありまして面白かったです。以下は内容紹介です。
海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。遭難の原因は不明。遺族を弔問するため旅に出た長尾の視界に、男たちの影がちらつき始める。やがて彼は愛する女と共に大きな渦に飲み込まれてゆくのだった。歳月を費やしようやく向かいあえた男女を、圧し潰そうとする“国家"。運命の夜、閃光が海を裂き、人びとの横顔をくっきりと照らし出す。

主人公は、小さな海運会社を経営していた【長尾知巳】です。とある罪での服役中に、長尾が所有する貨物船が、長尾の弟「文治」以下六名と共に消息を絶ったんですね。海上保安庁の捜索でも、遭難地点すら判明せず、突発的な事故で瞬間的に沈み、その場所も不明、目撃者も生存者もゼロという事だったんです。刑期を終えて出所した長尾は先ず乗組員の遺族への弔問と謝罪だったですね。そして、遭難地点に最も近い大隅半島の遺族の元に弔問に赴いた帰りに、事故が起きたとされる日に、沖合で「火柱」を見たという老人と出会あい・・・・。

調べていくうちに、消息を絶った長尾の弟や船員は、単なる事故ではなく、ある事件に巻き込まれていた事が分かります。そして、その事件の存在そのものを隠しておきたい「組織」が長尾に迫るんですね。長尾と戦争により悲惨な体験した「老人」のタッグが、その組織に立ち向かうのですが、ラストまでずっぽりとのめり込んでしまいました。長尾の不器用な「男」としての魅力と、老人が背負っている歴史に引き込まれました。今読んでも楽しめると思います。( ´∀`)つ


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3
極卵














仙川 環の「極卵」です。本屋さんに行って、何を買おうか迷っていた時に、この作品の帯を見て、興味を持ちまして読んでみました。
自然食品店で売られていた
 高級鶏卵による、中毒死事件が連続発生!
 究極の食材だったはずなのになぜ・・・。

というモノなのですが、僕的にはこの帯に惹かれたんですね。高級鶏卵で中毒死ってなぜ?人為的?それとも、ノンフィクション的な実際に有り得る話?なんて考えてしまいまして、卵好きな僕としては読まずにいられませんでした。で、読んでみましたら、卵好きの不安を煽る様なモノではなく、きちんとした【ミステリー小説】という感じで楽しめました。

主人公は、フリーの記者の【瀬島桐子】です。江戸時代から明治の中頃まで、相模地方の農家の庭先で広く飼われていて、昭和の初め頃に姿を消したと言われる幻の【相州地鶏】を地元の研究機関が復活させたというニュースの取材をしたんですね。相州地鶏の卵は、野性味溢れる肉質とコクがあるという事で食通の間でも評判だったのですが、気性が荒く、ケージ飼いに向かなくて時代の流れと共に姿を消したんです。それを地元の農家で飼い続けられていたシャモと原産種の交配を繰り返し作り上げたんですね。そうして誕生した卵が【極卵(ごくらん)】なのです。
 薬の類を一切使わない自然卵という事で、安心・安全を謳い、4個入り千円で売りに出されたのですが、それを食べた人が食中毒になって何人もの方が死亡するという事件が起こったんですね。相州地鶏が飼育されている【山田ファーム】を調べると、約半数の相州地鶏から【ボツリヌスと見られる毒素】が見つかったんですね。衛生管理もきちんとしていて、飼育に使っている井戸水や餌は汚染されておらず、専門部署が調査しても特に問題点は認められなかったんですね。

桐子は事件の真相を解明出来るか

という感じの物語です。ラストは弱いと感じてしまうのですが、それまでは惹きはありましたね。文庫本なら損はしません。( ´∀`)つ


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3
突破口

















笹本稜平の「突破口〜組織犯罪対策部マネロン室〜」です。本屋さんで「何読もうかな〜」なんてウロウロしてましたら、【組織犯罪対策部 マネロン室】という文字が目に付いて、それに惹かれて購入してみました。読んでみましたら想像以上に面白かったです。マネーロンダリングの話を軸にした、奥深いストーリー展開に惹き込まれました。( ´∀`)つ

主人公は、組織犯罪対策部マネー・ロンダリング対策室の【樫村恭祐】です。埼玉県の飯能市内の山林で、豊島区に本店をおく「共生信用金庫」の職員の【宮本弘樹】の遺体が発見されたんですね。宮本は、外為法違反の容疑で指名手配されていて、樫村達が追っていた人物だったんです。宮本は自殺したに思えたのですが、遺体を調べてみると、大量のヘロインを打たれて殺害された事だと分かるんですね。宮本は、広域暴力団の覚醒剤密売組織から依頼を受けて、巨額の闇資金を海外に不正送金している疑いをもたれていたので、暴力団によって消されてしまったと思われたのですが・・・・。

樫村達が調べを進めるうちに、闇資金の不正送金は、宮本の単独犯ではなく、「共生信用金庫」が組織ぐるみで関与した疑いが強くなるんですね。そして、「共生信用金庫」の理事長で、闇のフィクサーと言われる【八雲晴吉】が樫村達の行く手に立ち塞がります。宮本を殺したのは誰か?不正送金は組織ぐるみでの関与なのか?という答えを求めて、ラストまでイッキに読んでしまいました。樫村に対峙する同じ組織犯罪対策部の【亀田】の存在、樫村と因縁のある【津川】の魅力が、僕の心をガッチリ掴みましたね。

警察小説好きな方なら楽しめますね。続きで印象に残った場面を(・∀・)つ


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鎮魂









「鎮魂〜さらば、愛しの山口組〜」です。この作品は、元山口組盛力会会長の盛力健児氏に、昭和50年の【大阪戦争】から平成21年2月の自身の除籍処分までの山口組と共に歩んだ歴史を、1年5か月にもわたってインタビューしたものを纏めたものです。飯干晃一や溝口敦の作品を読んできた僕にとっては面白かったですね。そりゃあ、面白さで言えば、飯干晃一の作品の方が興奮度も高くて面白いですが、何せ語っているのが、山口組の中枢にいた【盛力健児】ですからね。よく雑誌になどに出てくる、【某山口組幹部談】とかじゃない訳ですよ。帯にもある様に、宅見若頭暗殺の内幕、五代目追放劇の真相などが語られている訳です。ここまで正体晒して語っているんだから、ほぼ真実なわけで・・・・・。これには興奮しましたね。山口組の内実がここまで語られるのは今後はないだろうなと思えるので、貴重な一冊ですね。( ´∀`)つ


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芸人春秋

水道橋博士の「藝人春秋」です。この作品は、博士が所縁のある人物を語るエッセイです。北野武のファンの僕としては、なかなか面白かったです。

そのまんま東(東国原英夫)
甲本ヒロト
石倉三郎
草野仁
古舘伊知郎
三叉叉三
堀江貴文
湯浅卓
苫米地英人
テリー伊藤
ポール牧
甲本ヒロト 再び
爆笑"いじめ"問題
北野武と松本人志を巡る30年
稲川淳二


上記の人達について、様々な媒体で博士が語ってきたものを纏めて、最後に追加として【その後のはなし】を挿入して纏めあげたものです。(書き下ろしもあります)語られる人物のラインナップを見ると、少し弱い気もしますが、読んでみると物足りなさを全く感じさせない面白さで、1500円の価値はありました。(しかし、前提として北野武、水道橋博士が好きな方に限りそうです)

そのまんま東・・・・・1998年に渋谷のイメクラ『年中夢中』での淫行事件から、芸人として下降線を辿っていた【そのまんま東】か宮崎県知事として復活を果たすまでの軌跡がライトに綴られてます。

甲本ヒロト・・・・・博士とは岡山大学教育学部附属中学校出身の同級生だったとの事で、甲本ヒロトについてアツく語ってます。

石倉三郎・・・・・武の浅草時代からの芸人仲間。男、石倉三郎を語ってます。

草野仁・・・・・草野仁は、浅草キッドの手によってリニューアルオープンを果たしましたが、その際のエピソードを語ってます。この話は、面白かったですね。こんな魅力的なキャラクターを今まで発掘出来なかった方が不思議なくらいです。

古舘伊知郎・・・・・プロレスファンだった僕からするとこの古舘伊知郎という人物は魅力的な人物なんですね。博士は、この古舘伊知郎という人物について鋭い考察をしてます。

三叉叉三・・・・・僕にとってはこの作品のラインナップの中では1番どうでもよい人物だったのですが、読んでみたら凄く面白くて、笑っちゃいました。三叉叉三、侮れません。

堀江貴文・・・・・博士がホリエモンとの出会いのエピソードを語ってます。2003年の4月に、まだ『エッジ』の頃のホリエモンの会社にロケに行った時に会ったのが最初の出会いだったそうです。そのロケの際に、事前に打ち合わせをしたスタッフが、『正直言って話を聞いているだけで頭にきますよ!』と身を震わせて報告するほど生意気きわまりなかったらしく、それを聞いた博士は、猛獣使い芸人としての腕がなったそうです。(笑) この話も面白かったです。そういえば、乙部さんは今何してるんですかね?

湯浅卓・・・・・博士との初対面で、湯浅氏は、『私はロックフェラーセンタービルを売った男です!』と言い切ったそうです。その後、YUASA節の数々を紹介してます。これも面白かったです。

苫米地英人・・・・・この章が1番面白かったですね。あの湯浅氏を凌ぐTOMABETI節は最高でした。これを読んで、苫米地英人に興味を持ってしまって、ネットで色々検索してしまい、昨日、この作品の紹介をアップしようと思っていたのですが出来ませんでした。(^_^;)

テリー伊藤・・・・・ここも面白かったですね。博士のテリー伊藤との出会いから、テリー伊藤のハチャメチャぶりを紹介してます。高橋がなりが語るテリー伊藤も面白いですが、博士が語るテリーも面白かったです。『元気が出るテレビ』『浅ヤン』は好きでしたから、テリー伊藤は結構好きなんで面白かったです。

ポール牧 ・・・・・三叉叉三の次に興味がなかったのですが、読んでみると面白かったです。1983年の自殺未遂騒動の際のポール牧が詠んだ辞世の句は良かったですね。

爆笑"いじめ"問題・・・・・博士がいじめ問題を取り上げてます。博士曰く、この問題を語る言霊の中で1番しっくりきたという、伊集院とピエール瀧の話を紹介してます。

北野武と松本人志を巡る30年・・・・・タイトルは壮大なのですが内容は大した事なかったです。このタイトルなら、一冊分のページ数でも足りないですね。博士は、20代の時にテレビタレントの端くれとして『ダウンダウンとは共演しない』と心に決めたそうです。ここら辺の理由は、カッコ良かったですね。

稲川淳二・・・・・博士が【霊界のTUBE】と呼ぶ稲川淳二について語ってます。怪談の裏話的な内容かというとそうでもない内容でした。余談ですが、ポスト稲川を狙う怪談士的な方って結構いるという事を、少し前の深夜番組で知りました。

まあおススメです。( ´∀`)つ


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鬼子

新堂冬樹の「鬼子」です。折に触れて書いてきたのですが、次郎的気分が悪くなった作品ランキング1位の作品です。繊細なタイプじゃないのですが、この作品の理不尽な展開に、当時の僕は、一旦本を綴じました。しかし、その後の展開が凄く気になって、読まずにはいられなくて最後まで読みました。読み終えてみれば【暗黒小説】としては、最高峰の作品と言えるのではないかと思います。最近の作品は全然読んでないのですが、以前はずっと追いかけてました。ある時から、僕的には「ぽてんヒット」的なレベルに感じる作品が続きまして、それでいて、出てくるペースが早くて、2005年の「聖殺人者」を最後に追いかけきれずに諦めました。(「傷だらけの果実」は気になって読んでみたいですが) 

今回「次郎的読んだ?」の新カテゴリを作成しようと思いまして、記念すべき1作目の作品を何にしようかと考えた時に、この「鬼子」が頭に浮かびました。大した理由はないのですが、まず頭に浮かんだのが、この作品だったので「鬼子」にしました。今回、ここで紹介する為に、チラッと読み直してみましたが、10年前に読んでからだいぶ鍛えられたのか、そんなまではなかったです。( -д-)ノ まだ読んでない方はぜひ読んでみてください。
 恋愛小説家の【風間令也】こと袴田勇二は、男に弄ばれ捨てられた女の復讐劇を描いた「黒い花」で、25歳の時に念願の文壇デビューを果たした。しかし、その後の21作品全てが初刷り止まり。作家だけでは生活していけない袴田はマンションの管理人として働き、袴田の妻「君江」はパートに出て家計を支える。それでも家庭は円満だった。常に朗らかな笑顔を絶やさない気立てのいい「君江」、素直で純朴な高校生の息子の「浩」と中学生の娘の「詩織」。そして優しい祖母。絵に描いたような家族団欒。ただしそれは、4か月前までの事・・・・・・・・・。

 
 (浩)「親父、買い出しに行ってこいよ。缶ビール10本とつまみ、それと煙草だ。煙草は、マールボロ2箱とマイルドセブンのエクストラライトを3箱。それから、ビデオ屋でエロビデオもな。若月麗美の、『潮吹き姫』ってやつだからな。」
 (袴田)「浩、怒らないで聞いてほしいんだが、私はいま、締切りに追われているだよ。お前、いや、君も、協力してくれないかな?」
 (浩)「ざっけんじゃねえっ。そんなくそみてえな小説なんてどうだっていいから、さっさと買ってこいっ!」
 (袴田)「浩」
 押し殺した声を腹の底から絞り出した袴田は、眼球にぐっと力を込めて浩を見据えた。眼を逸らしたい誘惑を、懸命に振り払った。
 (浩)「なんだよ、その眼はよう?なんか、文句があんのかよっ!?」
 片方の眉を下げ、唇を半開きにした浩が顔を近づけ凄んだ。
 後退しそうになる足を踏ん張り、気息奄々の勇気に鞭を入れた。両の拳を握り締めた。腹式呼吸をし、息を整えた。自分は、浩の父親だ。使い走りのまねなど、できはしない。
 (袴田)「浩・・・・・・。もう一度、ビデオのタイトルと女優の名前を教えてくれないか?」


袴田家は、袴田の恋愛小説は売れなくとも、幸せな家庭を築いていたのですが、ある時を堺に高校生の息子の「浩」がグレ出した。それは、浩を可愛がっていた祖母が亡くなった時期と一致するが・・・・・・・。

という感じで流れていきます。これに、袴田を担当する編集者の「芝野」が加わって、袴田は、地獄へイッキに転げ落ちていきます。ラストは賛否が分かれると思いますが、ぜひ読んでみてください。


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3
回廊封鎖

佐々木譲の「回廊封鎖」です。なかなか面白かったのですが、後半部分がかなり甘くて不満が残りました。貧乏な僕的には、1,600円の価値はないな〜。という感想です。この作品の帯は、
法が裁けないに報いを。
地獄を見た人間にを。

という様に、この作品を表現をしておりまして、大衆受けしそうなベタな内容なのですが、本屋さんに行って、なんでもいいから本を買おうと思っていた僕は、この帯に惹かれてしまいまして、この作品の購入を決めました。で、実際に読んでみますと、予想通りにベタな内容なのですが、期待を持たせる進行で、ぐぐっと作品中に嵌まっていくのですが、犯罪者、犯罪者のターゲット、刑事のそれぞれが(リアリティを出そうとして失敗したのか)3流に仕上がっていまして、後半は不満が残りました。

この作品は、あの「武富士」がモデルになっています。作品の中では【紅鶴】という会社名になっておりまして、【紅鶴】の過酷な取立てによって人生がめちゃくちゃになってしまった人達が出会い、団結して、自分達を苦しめた【元紅鶴社員】に復讐をしていきます。本丸は、武井俊樹元専務がモデルの紅鶴元専務の【紅林伸夫】です。香港に拠点を置いている【紅林伸夫】が、日本に来るとの情報を得て、【紅林伸夫】の襲撃を計画します。一方、連続して起こった殺人事件の被害者が、「元紅鶴社員」という事で共通している事から、徐々に、事件の真相に迫りつつある警視庁捜査一課第十二係の久保田と望月は、【紅林伸夫】の来日の情報を知り、次に狙われるのは、【紅林伸夫】だと思い、紅林に接近する・・・・・・・。

という感じの作品です。この後どうなったか興味を持った方は、図書館に行って予約してください。( ´∀`)つ

「右翼は暴力団に弱い。暴力団は警察に弱い。警察は右翼に弱い。この三つをうまく使って物事を収めろ」
(武富士元会長 武井保雄語録)



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3
五稜郭

佐々木譲の「婢伝五稜郭」です。なかなか面白かったです。この作品は、時代的には、箱館戦争の最終局面〜終結後の頃の話。佐々木譲は、明治維新が薩長の視点でしか書かれてないのに疑問を抱いていて、「五稜郭」三部作で、異議を申し立てたとの事。「五稜郭」三部作と言われる他の2作品読んでないので分かりませんが、この作品単体でも十分楽しめます。まぁでも、僕的には、明治維新が薩長の視点で描かれるのは当然と言えば当然で、「勝てば官軍」という言葉がありますが、「勝ったから薩長視点」なんだと思うんですよね。関ヶ原の戦いで負けたから「石田三成」の扱いは低い。歴史を見れば当然といえば当然の事なのですが、佐々木譲みたいな考えの人が現れないと面白くないといえば面白くないですね。

箱館戦争の最終局面、箱館病院分院に官軍の兵が押し寄せる。箱館病院分院には、榎本軍の傷病兵が30人ばかりいた。官軍は傷病兵を、情け容赦なく惨殺していった。官軍の暴挙を止めようとした医師の井上青雲も官軍の手によって殺されてしまう。青雲に思いを寄せていた看護婦の「志乃」は、青雲を殺した首謀者の「内田剛三」を殺し、復讐を果たしたが、官軍に追われる事となった・・・・。

という感じで話が流れていきます。なかなか面白いのですが、この作品を全体で見た場合、盛り上がりという盛り上がりがなくて少し寂しい。明らかに「志乃」が主人公のはずなのに、志乃の心情があまり前面に押し出してこないので、イマイチ同情出来ないのと、動きが弱いです。ラストは、「そんなに小さく纏まっていいの?」なんて思ってしまった。


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110111_2158~01

斉藤智裕の「KAGEROU」です。普通なら僕が手を出す作品ではないのですが、ついつい手を出してしまいました。

この作品を読むにあたって、僕的には、なるべく雑念を廃して「曇りなき目」で読んだつもりです。でもって読み終えた感想は・・・・・・「普通」です。何とか社大賞受賞作というのを除けば、ほんと普通の作品。可もなく不可のなくという感じです。
著者、斉藤智裕が、人生を賭してまで伝えたかったメッセージとは何か?そのすべてがこの1冊に凝縮されている

なんて「帯」には呆れてしまいましたが、それを除けばホント普通です。感覚的に言って、漫画で言えば「Y氏の隣人」で、テレビで言えば、「世にも奇妙な物語」に出てきそうな作品です。


倒産して廃墟と化したデパートの屋上遊園地から飛び降り自殺をしようとしていた「ヤスオ」の前に、「全日本ドナー・レシピエント協会」、略して、【全ド協】の京谷と名乗る男が現れる。ヤスオが、この世から消えるためのお手伝いをさせていただきたいと主張する。ヤスオは京谷に誘われるがまま【全ド協】と契約を結ぶ事になる。


という感じで物語が進んでいきます。「Y氏の隣人」や「世にも奇妙〜」にありそうな作品ですよね?最後は、少しだけ捻りを加えている感じです。購入してまでは何ですが、読んで損はないと思います。(●´ω`●)


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kouya






桜庭一樹の「荒野」です。なかなか面白かったけど、僕向きではなかったです。というか、対象年齢が僕くらいの場合、少し過ぎている感がありました。この作品を僕が語るのは少し気恥ずかしいですね。感覚的には、子供の付き合いで、「ドラえもん」の映画を見たら、

「俺でも楽しめるじゃないか!」

と思った感じです。こちらも意味不明かと思いますが、事前に、この「荒野」の概略を聞いていまして、「う〜ん。あんまり乗り気じゃないな〜」なんて思いながら読んでみたら、スラスラ読めてしまって、それなりに楽しめた。という感じです。

詳しい事は、こちらを見てください。



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fumiripo







桜庭一樹の「ファミリーポートレート」です。この作品は、なかなか良かったです。僕は活字中毒なので、車で移動の際も本を読んでいます。赤信号で止まった時に、さっと本を広げて読み、青になったら、さっと本を閉じるというのを繰り返しているのですが、何年もこれを続けていると、各交差点の信号が変る時間とかが感覚で分かるようになり、人が思うよりもまったくもって安全に本を読む事が出来ます。そんな僕が、この作品の面白さのせいで、物語の中に入り込んでしまい、信号が青になっても気がつかないで、後ろの車にクラクションを鳴らされてしまう場面が何度かありました。それ位、面白かったという事です。(あまり意味が分からないと思いますが)

ストーリー的には、第1部では、母の「マコ」がとある事情で、娘の「コマコ」を連れて、各地を逃げまわる物語です。戸籍を移動出来ないので、「コマコ」は、学校にも通えず14歳まで母の「マコ」と暮らすのですが、その間の波瀾万丈な親子の生活描写にどっぷり入り込んでしまいました。何となく、女版の「血と骨」を読むような感覚でした。

第2部は、14歳以降の「コマコ」の物語です。そんな生活を続けてきた「コマコ」の成長記的な話です。壮絶な生活を送ってきた「コマコ」が、一般の世界で普通の生活をしていける訳もなく、またしても、「コマコ」の成長していく世界に、どっぷりはまりこんでしまいました。

最後は、賛否両論だと思うのですが、僕的には不満でした。もっと先まで「コマコ」を追いかけて欲しかったですね。あの先の「コマコ」の人生が平穏なはずがなく、もっと先まで知りたかったです。もっと先の「ファミリーポートレート」で締めて欲しかったですね。まぁでも、そこを各読者に想像させるからこそ良いのかもしれませんが。


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