
美達大和の「マッド・ドッグ」です。2011年3月に朝日新聞出版より刊行された「夢の国」を大幅に加筆訂正して改題した作品です。美達大和を知らない方に簡単に説明しますと、この方、2件の殺人事件を起こして無期懲役となり、自らの意思で【仮釈放】を放棄して、今でも懲役に服している方なんです。この方には娑婆に支援者的な方がいまして、ライブドアのブログをやっているんですね。


僕は小さい男なんで、夜な夜な僕の所属しているカテゴリの
「書籍・雑誌(総合)>書評・レビュー」のブログランキングをチェックしているのですが、その時にいつも僕より上位にいるこの方の
「無期懲役囚、美達大和のブックレビュー」なんて気になるタイトルのブログが目に付きまして、気になって、ちょこちょこチェックしていましたら、毎日チェックする様になったんですね。この方、自らの明確な意思を持って2件の殺人事件を起こした犯罪者なのですが、ブログを読めば分かるのですが、この方の発言にはカリスマ性があるんですね。僕みたいな「人生のアニキ」を求めているタイプには、何か惹きつけられてしまうんです。そして、この方の人格形成には、父親の絶大な影響があったんだなぁという事が分かるのですが・・・・・・・・・・・・・。
そうなんです。この作品は、美達大和の父親を描いた作品なんです。
この父親は圧倒的な存在感なんですね。この作品に登場するその主人公
「菊山尚泰」
の存在感に一気に惹き込まれてしまい、物語の展開に至っても、読み手を引っ張りまくる魅力的な展開で、1日で一気に読み終えてしまいました。読み終わった際の読後感も半端なくて、(前にも書きましたが)ヤンソギルの「血と骨」に匹敵する作品だと思います。作品自体の面白さは、「血と骨」には敵わないとしても、主人公の存在感で言えば「金俊平」を凌駕しますね。
菊山尚泰は1924年、朝鮮の貧しい農家に生まれ18歳の時に「夢の国」を目指し日本に出稼ぎに来た。鉱山で働くうちにその腕力だけで頂点に立ち、どんな荒くれ男たちからも恐れられる存在になった。終戦後、菊山は夜の街の用心棒、債権回収業から金貸しになり巨額の富を得て成金に・・・・・・。1959年、菊山に待望の息子、翔太が誕生し幸せな日々を過ごしていたが、妻が突然出奔すると菊山の人生が激変した。
帯的にはこんなもんでしょうね。この作品を帯で説明するのは難しいと思います。これに出てくる菊山の待望の息子の「翔太」が美達大和の事なんですね。父親に反発しながらも、この圧倒的な存在感の父親の影響をモロに受けたおかげで、今の美達大和の獄中生活があるんだなという事が分かります。「血と骨」の時も書いたのですが、このタイプが生きていけるのは、精々が終戦後の10数年だけで、それ以降では少し厳しいですね。物語の後半の菊山と翔太の父子の会話は、何か考えさせられるもので、人間の一生の儚さを感じさせる作品でした。この作品はオススメです。
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