土漠の花















月村了衛の「土漠の花」です。友人から借りて読んだのですが、物語の展開に、何か既視感があったのですが、なかなか面白かったです。

ソマリアでの海賊対処行動に従事するジブチの自衛隊活動拠点に、墜落したCMF(有志連合海上部隊)連絡ヘリの捜索救助要請が入ったんですね。自衛隊は人道上の見地から捜索救助任務に当たる事を決め、陸上自衛隊第一空挺団が、ジブチ、ソマリア、エチオピアの三国が間近に接する国境地帯のアリ・サビエ州の南端に向かったんですね。隊長に任命された吉松3尉以下、緊急救命陸曹一名を含む計十二名が現地に到着し、翌日からの作業の為に野営をしている所に、女性3人が保護を求めてきたんですね。対立する氏族が攻め込んできて、一方的な虐殺が始まり、国境を越えて逃げてきたとの事。新開曹長が吉松隊長に、

 「我々の任務は海賊対処行動であり、遭難機の捜索救助です。未承認国家の小氏族とは言え、他国の紛争に介入することは許されていないはずです」

と進言するのですが、吉松隊長は3人を避難民として保護する事を決定します。そして、この決定を下すやいなや、四方から銃声が轟き、隊員二人が鮮血を噴いて倒れたんですね。攻撃してきたのは、保護した女性の氏族と対立する【ワーズデーン小氏族】で、逃げてきた女性達を追い掛けてきたんですね。あっという間に捕虜となってしまった自衛隊の隊員達は、【ワーズデーン小氏族】の指揮官の指示で、横一列に並ばされて、処刑される事となったのですが、小便の為に部隊から離れていた【市ノ瀬浩太】1士が89式小銃を放ち、敵をかく乱する事に成功し、生き残っている仲間達を逃がす事が出来たんですね。【ワーズデーン小氏族】の追手から少しでも離れようと洞窟の様な遺跡へ逃げ込むのですが・・・・・・。

最初に保護を求めてきた女性達の中での中心人物は【アスキラ】という名前の女性なのですが、女性達の中で、遺跡まで逃げ込む事が出来たのは【アスキラ】だけ。そして、自衛隊の方は、
 ・新開譲曹長
 ・朝比奈満雄1曹
 ・由利和馬1曹
 ・津久田宗一2曹
 ・梶谷伸次郎士長
 ・市ノ瀬浩太1士
 ・友永芳彦曹長→主人公

の7人なんですね。隊長の吉松3尉を含め5人も死んでしまったんですね。洞窟の様な遺跡に逃げ込んだ時には、持っている武器は残弾数9の89式小銃一挺のみ。ナイフも通信機も携帯端末もない。それでもなんとか70キロ離れた拠点まで逃げるしかない状態です。ここからの生き残りを賭けた自衛隊員達の戦いがアツいんですね。執拗な【ワーズデーン小氏族】の追撃に果して何人の自衛隊員が生き残るのでしょうか?興味を持ったら是非読んでみてください。冒頭に既視感があると書きましたが、何かの戦争モノの映画にあった様なハラハラの展開がアツかったです。


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