
貴志祐介の「鍵のかかった部屋」です。防犯探偵シリーズの「硝子のハンマー」「狐火の家」ときて3作目の作品です。なかなか面白かったのですが、1,600円の価値があるかと言えば、少しもの足りない感じがしましまた。次郎的貴志祐介作品ランキング的には、ベスト10にランクインぜずという感じ。この作品は、
・佇む男
・鍵のかかった部屋
・歪んだ箱
・密室劇場
の4編からなる短編集です。僕的には「鍵のかかった部屋」が一番面白かったです。次に「佇む男」で、残りの2つはあまり面白くなかったです。
「佇む男」・・・『新日本葬礼社』の顧問をしている司法書士の日下部雅友は、新日本葬礼社の社長【大石満寿男】社長と三日間も連絡がつかないのに胸騒ぎを覚え、社長が籠もっている奥多摩の山荘に専務の池端誠一と向かいます。そして、山荘の部屋の中で、大石社長の遺体を発見します。現場は密室であり、遺書もあることから警察も自殺と判断するのですが、大石社長から新しい遺言状を作りたいと依頼を受けていた日下部は、自殺でないと考える・・・・・。
という感じで話は流れていきます。そして、日下部が頼ったのは、【密室事件】ばかり数多く扱っている刑事弁護士の青砥純子です。密室と言えば当然、榎本径です。このいつものコンビで、この事件の真相究明に乗り出します。少し強引なカラクリな気がしましたが、なかなか楽しめました。
「鍵のかかった部屋」・・・「サムターンの魔術師」の異名を持つプロの侵入盗の【会田愛一郎】は、引き籠もりの息子がいる事に気が付かずに留守宅と思って家に侵入してしまい、様々な不運が重なり、逮捕されてしまい5年間の刑務所暮らしとなったんですね。そして、その懲役の間に、唯一の肉親で、最愛の姉をも事故で亡くしまったんです。出所した愛一郎は、可愛がっていた姉の子供達に、五年間の不在の許しを請う為に義理の兄宅を訪れます。そこで待ち受けていたのは、可愛がっていた兄妹の兄の【大樹】の死だった・・・・・。
という感じで話は流れていきます。大樹は、軽い引き籠もりで、愛一郎が訪れても部屋を出て来なかったのですが、大樹が心を許している妹の【美樹】が呼びかけても反応がない。心配した義兄と愛一郎は、鍵のかかった部屋をこじ開けて、中に入ってみると「練炭自殺」を図って死んでいる大樹を発見します。またもや密室での出来事なので、警察は自殺と判断するのですが、大樹は自殺ではないと考える、愛一郎は、同業者?の榎本径に相談して、青砥純子弁護士に話が持ち込まれます。そして、愛一郎の義理の兄の【高澤芳男】と対決する事になります。愛一郎の義理の兄、【高澤芳男】は、姉の再婚相手で、(大樹と美樹は、前の夫の子供)中学校の理科の教師をしているのですが、何となく「悪の教典」の蓮実聖司を彷彿させる人物で、悪役としての魅力を十分持っていて、しかも、この作品の密室のトリックが一番興味深く読めて、榎本径との対決も面白かったです。この「鍵のかかった部屋」はとても面白かったので、この作品を大幅加筆修正して、短編でなくて長編として文庫本で出して欲しいです。( ´∀`)つ
「歪んだ箱」・・・野球部の顧問をしている【杉崎俊二】は、新婚生活をおくる為のマイホームを建てたのですが、これがかなりの欠陥住宅だったんです。杉崎は、施工業者の「新愛工務店」の社長の竹本に文句を言うが「これは、地震による毀損で、施工は問題なかった」と主張して責任を認めない。怒った杉崎は、事故に見せかけて、竹本社長を殺害する・・・・・。
という感じで話は流れていきます。密室での事故死という形で、竹本社長の遺体が発見されたのですが、不審な点がいくつかあったので、杉崎は警察に疑いをかけられます。その疑いを晴らしたくて、杉崎は青砥純子弁護士に相談に行きます。正義感に燃える青砥純子は、警察にお灸を据える為に、杉崎の家に行くのですが、そこには、榎本径が警察のアドバイザーとして調査をしていました。今回は、犯人が「杉崎」と分かってるパターンでの榎本径との対決になります。こんな感じもいいのですが、今回のトリック自体が大した事なかったのが不満でした。
「密室劇場」・・・この作品は、前も言ったかもですが、苦手です。狙いすぎです。
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