
貴志祐介の「ダークゾーン」です。なかなか面白かったです。ただ次郎的貴志祐介作品ランキングのベスト5には入らないです。ギリギリ6位という感じです。この作品は、貴志作品の中では「クリムゾンの迷宮」に一番近くて、ゲーム的要素の強い作品です。僕が読書する時の頭の中は、通常は、8割はその時読んでいる作品に費やし、残りの2割で何となくその時の仕事の事とか別の事を考えているのですが、今回の作品はそんな事では、全然内容を把握出来ません。(「新世界より」と同じ位集中力が必要です)全力で作品に集中しないとなかなか理解出来なくて、読み終わるのにかなり時間がかかりました。貴志祐介が創造した、キャラクターやゲームが展開されるので、その把握にかなり頭を使います。読み終わってみれば、満足感半分、不満感半分の微妙な読後感でした。
この作品の「ダークゾーン」とは、長崎市の沖合いにある、遺棄された海底炭坑の島の「端島」が異次元空間にぽっかりと浮んでいる、地球上にはない地帯の事であり、とある若者が制作したゲームの名前でもあります。この作品の始まりは、「クリムゾンの迷宮」にに似ています。
俺は、いつから、ここにいるのだろう。
なぜ、ここにいるのか。
わからない。記憶に靄がかかたように、何も思い出すことができなかった。
ただ1つの声だけが、記憶の奥底から湧き上がってくる。
戦え。戦い続けろ。
意識の中で執拗に反響する声に、塚田は混乱した。
・・・・・・俺はいったい誰なんだ。
ようやく、答えらしきものが浮き上がってきた。奇妙な事に、二種類の異なった答えが。
俺の名前は、塚田裕史。二十歳だ。将棋のプロの予備軍である新進騎士奨励会の三段で、同時に、神宮大学情報科学部の三回生でもある。
俺は、赤の王将だ。
もう一つの内なる声は、圧倒的に大きく、それ以外のすべての思考をかき消してしまう。
赤の王将。赤の王将。赤の王将・・・・・。
最初のページからの抜粋です。これを読んでいただくと、何となくわかると思いますが、奨励会三段の塚田は気がつくと、異次元空間の「端島」にいたんですね。そして、十八体のメンバーを率いる「赤の王将」という事になっていて、「青の王将」チームと戦い、どちらかの「王将」を殺害した方が勝ちで、7番勝負を行うという。この戦いに勝たなければ、存在自体が消滅してしまう。否が応でも存在を賭けた戦いが始まる・・・・・・。
という感じで物語が進みます。将棋を想像していただくと分かり易いのですが、将棋の駒が、人間が変態した獣のような創造物で、
赤チーム
一つ眼(キュクロプス)【昇格すると】→千の眼(アーガス)
火蜥蜴(サラマンドラ)→火龍(ファイアドレイク)
鬼土偶(ゴーレム)→不可殺爾 (ブルガリ)
皮翼猿(レムール)→夜の翼(ナイトウィング)
死の手(リーサル・タッチ)→黒水母(メデューサ)
歩兵1(ポーン)→金狼(ライカン)
歩兵2(ポーン)→金狼(ライカン)
歩兵3(ポーン)→金狼(ライカン)
歩兵4(ポーン)→金狼(ライカン)
歩兵5(ポーン)→金狼(ライカン)
歩兵6(ポーン)→金狼(ライカン)
DF1(ディフェンダー)昇格なし
DF2(ディフェンダー)昇格なし
DF3(ディフェンダー)昇格なし
DF4(ディフェンダー)昇格なし
DF5(ディフェンダー)昇格なし
DF6(ディフェンダー)昇格なし
青チーム
聖幼女(ラルヴァ)→太歳(ジュピター)
毒蜥蜴(バジリスク)→毒鶏(コカトリス)
青銅人(ターロス)→青銅魔人(コロツサス)
始祖鳥(アーキー)→妖鳥(ハルピユイア)
蛇女(ラミア)→大水蛇(ヒュドラ)
歩兵1(ポーン)
歩兵2(ポーン)
歩兵3(ポーン)
歩兵4(ポーン)
歩兵5(ポーン)
歩兵6(ポーン)
DF1(ディフェンダー)
DF2(ディフェンダー)
DF3(ディフェンダー)
DF4(ディフェンダー)
DF5(ディフェンダー)
DF6(ディフェンダー)
という陣容で戦います。それぞれ、特性があるのですが、それは読んでいただければと思います。それぞれの駒のメンバーは、現世では知り合い同士になっていて、色々な因縁が絡んでいます。そして、この「端島」での戦いと現世での出来事が「章」毎に切り替わっていき、ラストを迎えます。スケールが大きいと思いきや、読み終えてしまうと、少し落胆する結末でした。興味が出た方はぜどうぞ( -д-)ノ
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コメント
コメント一覧 (2)
ブルガサリは不可殺爾←です。
ご指摘ありがとうございます。明日か明後日に直しておきます。
また何かあれば、よろしくです。